2ちゃんねるは何故潰れないのかを読みました。

ただし、ひろゆきが以前「本は一度読んだら再度読み返すことは無いので、買おうと思った事はない」みたいな話をしていましたが、私もそれと似たような考えを持っているので買っていません。
ですので、立ち読み(座り読み)をした記憶を頼りにしてますので、これから書くことに若干あやふやな点があることをご了承ください。

2ちゃんねるはなぜ潰れないのか? (扶桑社新書)

2ちゃんねるはなぜ潰れないのか? (扶桑社新書)

さて、この本のタイトルがまずタイムリーで、しかもどっかのパクリという、とてもキャッチーものです。そして、この問いについての答えは冒頭にさらっと述べられています。
ようは「2ちゃんねるを当局が潰そうと思えば潰せるが、そうしたらまた同じようなサービスが出来るだけ。下手に潰してサーバや管理人が変な外国に移ってしまうより、僕が管理人のままのほうがコントロールしやすいと思っているのでしょう。」との事です。
これ自体は大した話じゃないですが、HowToものにありがちな答えを焦らしながらダラダラ引っ張るという姑息なことをせず、いきなり結論を書いている点は好感が持てます。
さて、次からがこの本の本題で、様々な有名WEBサービスをこき下ろしています。マイクロソフトは邪魔者は全て消すすごい会社、グーグルはクリーンイメージ作りと営業が上手なだけ…などです。
これらの主張は(一部の例外は除いて)間違っていないと思いました。と言うより、こうした主張は彼が始めてではありません。ただ、この本の良いところは、同種の本の中では文章が平易で読みやすい事です。(ひろゆき本人は殆ど自分で書いていないとの噂もありますが)
私も空気嫁コンテストは嫌いなので、こうした「それを言っちゃおしまいよ」的な主張は嫌いじゃありません。
ただ根源的は問題は「そういうお前はどうなのよ」と言うこと。他をけなしたと同様の論調で「2ちゃんねる」についてもこき下ろしていれば骨のある主張になったと思いますが、それは期待はずれでした。
2ちゃんねるは、階級制度を作らないスーパーフラットな組織で」みたいなどっかで聞いたようなプレゼントークを展開しています。結局自分以外の権威が出来るのが嫌なんだろうと。
また、損害賠償を踏み倒す件についても、「全部自分では出廷しきれないし、弁護士に頼むと100万くらいかかる」なんて書いてましたが、一括依頼しても払えない額なのか疑問です。第一、そんなに沢山訴えられるのは、ろくなサポート体制を作らず削除要求にちゃんと答えてないからでしょう。もし、彼の言うことが正しいのなら、全てのコミュニティーサイトは訴訟を次々に起こされて、首が回らなくなるはずです。
結局の所この本は、他を貶めることで自分のポジションを良く見せようとしているだけ、保身のためのプロモーションです。いくら他への批判が的を得ていても、これでは説得力が無くなってしまいます。
なので、私か代わりに2ちゃんねるをこき下ろしてみます。