日の丸航空機の悲願?

一方、三菱重工富士重工は、ボーイングの技術を相当欲しがっていたようです。しかし、もし彼らが将来自社製の航空機を作ろうと単純に考えているとしたら、ビジネスとしてははなはだ疑問です。
「航空機メーカー」がそれほど儲からないことは、ボーイング社が実証してくれています。経営不振にあえいだ挙句、何もかも自社で開発するという方針を捨て、ウィキノミクスを採用したことで、ようやく復活を遂げたのです。日本の重工業は同じ道を歩もうとしているのでしょうか?
現在アメリカに純粋な「パソコンメーカー」は存在しません。その代わり、OSやCPUと言った基幹技術を押さえたり、アップルやデルといったブランド(ビジネスモデル)によって米企業は利益を得ています。
どうやらこれからのビジネスは、コア技術を押さえるかインテグレータになるか、どちらかしか無いようです。単なる最終製品の製造は収益率が低く、先進国にとってはお荷物だと認識すべきなのでしょう。
ですので、日本は「国産航空機メーカー」を立ち上げるより、「日本の複合素材加工技術無くしては世界のどのメーカーも航空機は作れない」という、インテルマイクロソフトのようなポジションを目指す方が得策なのではないでしょうか?