インパクトレンチで締めたら亀裂ができるハブって…

昨日あたりのニュースで事故のメカニズムについて報道されていたので少々補足したい。
「ディーラではトルクレンチで既定トルクでハブボルトを締め付けずに、インパクトレンチだけで締め付けてしまうため、ボルト及びハブに亀裂が生じ破断につながる」といった内容だった。率直な感想は「ええ!そんなのってあり?」である。
まず、トラックの整備工場で使われるインパクトレンチってそんなに強力なのか?正確にいうと、マニュアル上の規定トルクと一般的なインパクトレンチのトルクはそれほど乖離しているのか?という疑問が生じる。
これが一般の乗用車なら、ユーザーが車載工具でスタットレスタイヤに交換するにせよ、街の用品屋でタイヤ交換を頼むにせよ、真面目にトルクレンチを用意して締め付ける方がレアケースでしょ。一般に大型トラックの整備がどんなにお行儀よくなされているかは知らないが、「仮にインパクトで締めても大事には至らない設計」をするのが常識ってもんじゃないかい?
まあ、そのあたりは三菱も重々承知していたんだと思う--非常に余裕のない設計である事も、ディーラーが理想的な整備をしないだろう事も、ユーザーが過積載をすることも。だからこそディーラーに向かって「摩耗状況を確認しながら、ヤバそうだったら交換して」なんてとんでもない要求をしていたのだろう。そうすべては問題先送りのために。