これからのネットコミュニティー

なんか脱線したが、冒頭の記事はこれからのネットコミュニティーのあり方を考えさせるものだ。要は
①サイト管理者 ②投稿者(書き込みをしたもの) ③被投稿者(書き込みによって不利益を受けたもの)
それぞれの権限と責任の範囲をどう決めるかでそのコミュニティーの特徴を出せるかも。(ただし、②が悪で③が善とは限らない)

【事例1】完全事なかれ主義

削除要請があれば内容の如何を問わず①が片っ端から削除する。要請がなくても①自らが誹謗中傷にあたりそうな書き込みを探して削除。虫食いだらけで話の筋が見えなくなってもOK。つまり③の権利がマックスで②の権利がミニマム。とにかく平和が一番で当たり障りのない会話だけしたい人向き。

【事例2】喧嘩上等主義

基本的に①は③の削除要請に答えない。その代り投稿者の個人情報は最初から公開されている(それが真実であることは①が担保する)。③はネット上で②に反撃するか、あるいは直接警察や裁判所に訴えてください、①は一切関わりませんというスタンス。もちろん裁判所から要請があった場合は①はログの開示などには応じる。つまり②の権利も③の権利もマックス、①は試合をセットするだけ。非常に男気あふれるサイト。

【事例3】MIXI

個人的なつながりで招待された人以外は、投稿することはもちろん、それを見ることすらできない。部外者から見れば完全なブラックBOXであり、そういう意味では社内LANに近いのでは? つまり、コミュニティーの中ではお互いの素性が完全にばれているので、破壊的な行動は取れないだろうという考え方。しかし、実社会でいじめが絶えないように、ネットコミュニティー内でも村八分や気疲れ、そして素性がばれてしまっている為に実生活に被害が及ぶこともある。加えて、①以外に監視の目が無いので、宗教やマルチ商法の温床にもなやすい。
また、部外者は立ち入れないはずが、招待状の売買やシステムへのハッキングにより侵入可能。一旦悪意のあるものに乗っ取られると個人情報が満載なだけに被害は甚大。

【事例4】内部告系型

②の権利(投稿を消されない、個人情報を公開されない)を最大限担保し、③の削除要請にはぎりぎりまで答えない。ただし②が善意の告発者とは限らないので、①は②の個人情報を提出させまずは当事者かどうか確認しておく。そして、もし③の名誉毀損にあたるとして裁判所から要請があった場合はすぐに情報を開示するといったことが必要になるだろう。

【事例5】議論OK、喧嘩(祭り)NG型

健全な議論は促進し、その他の憂さ晴らしや祭りの要素は排除する、というコンセプト。
削除の対象はa.犯罪系(個人情報の漏洩、恐喝、犯罪予告、著作権侵害公序良俗違反など)、b.炎上系(煽り、嫌がらせ等)そしてc.嘘系(ネタや釣り)である。
一方、議論の上での反論は当然OKなので、これとbは明確に分けておく必要がある。たとえば「死ね、ヴォケ、カス」などの喧嘩用語及び、相手を攻撃する意味しかない書き込みはNG。また、同じような内容を何度も繰り返したり、あるいは多人数で攻撃するのもNG。
判定が微妙なのはちょっとした皮肉やからかいなどだ。言われた方は名誉毀損と受け取るかもしれないが、こうした毒やユーモアが全くないのも、逆に殺伐として息苦しいような気もする。個人的には下品さややり過ぎがなければOKだと思うが、まあこの辺はそのサイトやコミュニティーの性格次第で決め周知すればよいと思う。

2chシステムの問題

下記のページで2ch問題を非常に具体的かつ明確にまとめてあった。
2ちゃんねるの致命的欠陥――ひろゆきは2ちゃんねらーに責任転嫁すべきだ[絵文録ことのは]2007/01/15
うーん。確かに問題ありありの規約(システム)だ。僕は今まで、誹謗中傷や名誉毀損が削除されないのは、管理者がサボって(面倒がって)いたからじゃないかと思っていた。実際にひろゆきも「書き込みが多すぎてそこまで手が回らないよ」みたいなことを言っていた。しかし、この規約を見ると実は確信犯だったのではないかと思えてきた。
特に削除依頼の公開については「こいつはこんなところでチクッてますよ〜」と公にすることで「よし、血祭りにあげてやれ」という輩が現れて「祭り」を誘発するためのシステムと思われる。
言うまでもないが「2chは匿名性ゆえに誹謗中傷が横行する」とか逆に「匿名だからこそ自由に発言できる」なんて論調は的外れということだ。システム上、投稿者が完全に匿名なんてありえないので、そういう意味ではどの掲示板も同じ。ただ、2chが他と違うのは「つるしあげ」「煽り」「祭り」を誘発するようなルールで動いているということらしい。

国税動き出す?

仮に2ch.netドメインが差し押さえられたところで、今のサーバのDNSを書き換え(3chなどに)れば良いだけの話。ひろゆきは別段困らないし、2ch独自のシステムは継承されてしまう。しかし国税の捜索が入るとなると話は別。
2007-01-13
海外への資産移転も強制執行妨害になるようだ。しかしひろゆきの親父が国税の役人というのが面白い。何か勝算があるのか、それとも親父へのあてつけなのだろうか?今後の成り行きに注目したい。